PS 100pieces 21-30☆21「すぐに出るから」と聞いて 「月を眺めてるから」と電源を切って 髪を解き ゆっくりと梳いて 刻一刻と透明になってゆく 白い明かりに溶けてゆく 待っているのか 知っているのか 知らぬで通すか 暴いて恋わすか 「いま来むと 言ひしばかりに 長月の 有明の月を 待ちいでつるかな」 ☆22 ドライヤーの風さえ 厭うようになりし肌へ 夏の果実が われ弾ける刺戟を好み 嵐のうごめきに とどろく心を頼む 秋の空気の つれなさに挑み 重ね衣となって あなたを包む これをもって 真の潤いと成さん 「吹くからに 秋の草木の しをるれば むべ山風を 嵐といふらむ」 ☆23 還りたい 帰りたい 秋の豊穣をもってすれば この願い叶うのか われ一人 我のみの月 「月見れば ちぢにものこそ 悲しけれ わが身一つの 秋にはあらねど」 ☆24 「君に逢いたくて とにかく逢いたくて」 「あ、今日は一ヵ月記念日だっけ?」 「シルバーリングが欲しかったの?」 「代わりに この燃える景色すべてを・・・」 「いらない?」 「この青い瞳はどう?」 「だめかな?」 「ではね 誰も手を触れていないものをあげよう」 「世界を手に入れた男をあげよう」 「ごめんなさい、もうしません☆」 「このたびは 幣もとりあへず 手向山 紅葉の錦 神のまにまに」 ☆25 ねーぅねーぅと鳴く猫の くるくる遊ぶ つる草に 結ばれし夢の 跡たぐり 秘かに踏もう 恋の虎の尾 「名にし負わば 逢坂山の さねかづら 人に知られで くるよしもがな」 ☆26 御陵に降りて似合うのは 雪か紅葉かはたまた桜か 峰を染めて似合うのは 霞か雲か百の心か 「小倉山 峰のもみぢ葉 こころあらば 今ひとたびの みゆき待たなむ」 ☆27 ポータブルに気持ちを交す 流れ流れ増幅されゆく我が思い この妖しき惑い 逢わずに渡す いにしえの みそひともじにも似て 「みかの原 わきて流るる いづみ川 いつみきとてか 恋しかるらむ」 ☆28 引き篭り 人肌より離れて暮らす 枯れてなお饒舌な山よりも なお寒き なお寂しき日々 この都市の人海の 傍らにいて 「山里は 冬ぞさびしさ まさりける 人目も草も かれぬと思へば」 ☆29 ぼくら チャレンジの連続です。 下手な鉄砲も 犬も歩けばも 何でもありです。 じーっと座しているよりも とにかく信じて なんとかなるさと信じて 耕し水撒き 花咲く実りを待つ日々です。 例え百年千年かかろうと。 だって 手には確かに 再びの種があるんだもの。 「心あてに 折らばや折らむ はつ霜の 置きまどわせる 白菊の花」 ☆30 月に映る 冷たきおもわのフラッシュバック 逢えば別れ 逢わねば炒られる なんてことも 知りながら 好き好んでゆくのさ この恋の道 「有明の つれなく見えし 別れより 暁ばかり 憂きものはなし」 ジャンル別一覧
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